平成21年4月号
(第132版)
〜  利用者さんとのかかわり 〜
 
 サンヒル 看護職  西田
  私がこのエコーリレーを書くのは、今回で2度目です。1度目は、7〜8年前に勤務していた頃で、亡くなって間もない父のことを書かしていただきました。父は認知症で、亡くなるまで私のことを、娘とは思っておらず、とても寂しい思いをしました。前回は、そのことを書かしていただきました。
  今回は、この施設に再度勤務させていただいた理由と、この施設での忘れられない出来事について書きたいと思います。 一昨年の夏、実家に帰ったとき、両親の荷物を整理していると、私が独身の頃に父に買ってあげた財布を見つけました。まだ、箱から出されておらず、父が宝物だと言って時々出しては見ていたことを、兄から聞かされ、今さらの様に父に申し訳ないと思いました。何故なら、その財布はブランド物でもなく、決して高価でもなく、どちらかと言えば、安い安い財布だったからです。それを大切に蔵っていたとは思ってもおりませんでした。だから、認知症バリバリの父にしてあげられなかったことを、他のだれかにしてあげられれば・・・・・。これこそ、恩返しのリレーになるのではないかなぁと思い、再度このサンヒルきよたけに勤務させていただいたわけです。
  あともう 1 つの忘れられない出来事は、昨年の10月に、体調をこわし、迫田病院に2週間入院いたしました。入院中も、他のスタッフに申し訳ないやら、利用者に顔を忘れられるのではという不安感でいっぱいでしたが、退院後早々に出勤したら、スタッフの温かい配慮はもちろんのこと、利用者78名中2名の方が「あんたなごー見らんかったが、何処に行ってたんや・・・・」と言われ、びっくりするやら、うれしいやらで胸がいっぱいになりました。今まで、自分の親に対する様に利用者の皆さんに接していたことが、この様な結果として返って来たのだと思い、このことは一生忘れないし、今後もこの方針で頑張って行きたいと思います。
〜  自然とともに 〜
 
迫田病院  デイケアセンター  春風 看護師  鈴木
  暖かい春の光に包まれ、今年も桜の季節を迎えています。そんな風景を見ていると、なんだか気持ちまで嬉しくなってくるのは、私だけでしょうか。
  利用者様と外を散歩したりしながら、春の息吹を胸いっぱいに共有したいなぁと思っているところです。
  さて早いもので入職して一年が過ぎました。昨年は新しい環境で仕事を始めることができ、又、プライベート面では息子も誕生し、父としての喜びを感じることが出来ました。一年を振り返ると、新しい環境の中で仕事に、また私生活にとても充実し、あっという間に過ぎました。
  今回エコーリレーの依頼を受け、文章を書くことが苦手な私ですが、日々成長している我が子について少し書きます。息子は一月で一歳を迎え、ますますやんちゃで元気に走りまわっています。歌がとっても大好きで音楽に合わせてマスカラ、タンバリンを鳴らしたり、最近は体を動かしてリズムをとり踊っています。又、障子破りに熱中したり、そうかと思うと引き出しから、色々な物を引っ張り出して広げたりします。じっとしている事もなく動き回っている息子を見て私は、笑ったり怒ったりしながら、そばで見ています。
  そんな息子が掃除機の音は恐いらしく、その音が聞こえると表情が硬くなり、その場を逃げ出すほどです。しかし使っていない時の掃除機に対しては、強気で動かない掃除機になにやら怒り口調で、声をかけている姿を見ていると、おかしいやらその反面可愛く思えてきます小さな赤ちゃんだった息子に感情が芽生え、自立していく様子を見ながら、これからたくさんの人と出会い、いろいろなことにチャレンジしながら、元気よく育っていってくれればと思っています。
  人との出会いは本当に大切で、私も入職してからデイケアスタッフ、各部署の皆さんに助けられながら、業務を続けることが出来ました。
  (今年)新年度は、気持ちに余裕を持ち今まで経験したことや、自然の話題を生かし、利用者様から「春風に来るのが楽しみとか、ここに来ると安心する」と言っていただけるような場を作っていきたいと思っています。
  今後もご迷惑かけることもあると思いますが、初心を忘れず頑張ってまいりますので、どうぞよろしくお願い致します。